AI-OCRとは?OCRとの違いや、RPAとの連携方法をご紹介
技術開発や製造現場だけでなく、近年ChatGPTをはじめとした生成AIでも話題になっているAI技術。
AI技術は様々な現場での活躍が期待されていますが、その1つとして活用されているAI-OCRは、ペーパーレスや効率化を実現するサービスとして、近年非常に話題となっているツールです。
本稿では、AI-OCRの基本的な紹介から、効率化をより大きくするためのRPAとの連携方法などについて、事例をふまえながらご紹介させていただきます。
AI-OCRとは~普及背景や特徴的な機能~
AI-OCRは、手書き帳票をはじめとした書類に記載されている文字を読み取り、データ化するツールです。
近年、働き方改革などの後押しもあり、電子システム導入などをはじめとしたペーパーレス化促進が行われていますが、
・作業フロー変更による生産性の低下
・取引先からの反発
など、紙の運用をいきなりなくしてしまうことで、こういった問題を引き起こしてしまう現場が数多くあります。
しかし、AI-OCRを使うことで、紙は使いつつも、ペーパーレス化を促進することができるため、従来通りのフローで仕事を行い、より生産性を高めることが可能です。
OCRとの違い
従来のOCRとの違いですが、一番は読み取り精度です。
OCRでは読み取ることができなかった複雑な手書き文字なども、AI技術を駆使することで、人間に近い判断を伴った作業を行うことができるため、そういった文字を読み取ることが可能です。
また、それに加え、AIがもつ学習機能により、今まで読み取ることができなかった文字も、修正したものを学習させることで、次同じ文字を読み取った時には読み取ることが可能となり、日々読み取り精度を向上させることが可能です。
RPAとの連携で何ができる?
AI-OCRを使用することで、ペーパーレスや業務効率化を実現することができますが、RPAと連携することで更なる効率化を行うことが可能です。
RPAとは
RPAとはRobotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)の略で、ロボットを使用してPC作業を自動化するツールです。
近年の人口減少や日本が元々抱えている労働生産性を補うために作られ、特にPC作業を行うホワイトワーカーを対象に導入が進められています。
オフィスワークの自動化が可能に
RPAの特長として、自動化範囲の広さと構築のしやすさにあります。
まず1つ目の自動化範囲について、Officeソフトやブラウザ操作をはじめとした、PC作業の全てを自動化することが可能です。
そして2つ目の構築のしやすさについて、特殊なプログラミング言語などを使用せず、ブロックを組み合わせていくような感覚で、簡単に作ることが可能です。
例として、Excel VBAは自動化範囲がExcelに限られ、プログラミング知識が必要など、用途や使用者が限られていましたが、RPAではそういった制限なく、誰でも簡単に自動化をすることが可能です。
AI-OCRとRPAの連携事例
ここからは、実際にあったAI-OCRとRPAの連携事例を3つご紹介させていただきます。
皆さまの業務にもあてはまる、または近いものがあると思いますので、是非参考にしてください。
【日本化学産業様】FAX受注内容の登録業務効率化例
受発注業務において、取引先からきた注文書の内容を社内システムに手入力する作業などを日々されている方も多いと思います。
このような作業は、手間と時間がかかるだけでなく、人的ミスも発生しやすいです。確認・修正作業も考慮すると非常に面倒な作業です。
薬品事業や建材事業など2つの事業の柱を持つ日本化学産業株式会社様は、日々FAX注文の処理業務における負荷が課題となっていました。毎月1,500枚もの注文書内容の登録作業を手入力で行っていたのです。
こういった課題を解決するべく、性能や料金プランなどから「Tegaki」の導入が有効だと考え、取引先からきた注文書内容をTegakiでデータ化、その後RPAを使うことで、データ化した内容をシステムに自動入力することができるようになりました。
導入を行ったことで入力ミスによる手戻りが削減でき、今後さらに業務への使用範囲を拡大する予定です。
【放課後NPOアフタースクール様】口座振替依頼書のシステム入力作業効率化例
日本全国の子どもたちに豊かな放課後を届けるために、学校施設や企業・行政と連携した次世代育成に取り組む放課後NPOアフタースクール様は、口座振替依頼書内容のシステムデータ入力に非常に多くの時間を割いていました。
具体的には、2千件ほどを4カ月で入力する必要があったのですが、リソース不足から新しく人を雇い入れることで対応していました。しかし、入力ミス発生などによって金融機関から差し戻ってくる、といったことが頻発していました。
そういった経緯もあり、「Tegaki」とRPA製品を組み合わせ、振替依頼書をデータ化してシステム入力業務を自動化したところ、今まで1件当たり5分程度かかっていたものが、1分程度まで短縮できるようになりました。
今後は、請求書処理や支払依頼処理など定型業務が多い経理業務で活用予定です。
【日本クレアス税理士法人 大阪本部様】仕訳業務の効率化例
日本クレアス大阪本部は医療・福祉に特化した会計事務所です。
通帳コピーなどの月次の資料をお預かりして試算表を仕上げるまでの一連の業務に、月に50〜60時間、内勤の記帳担当部門はもっと多くの時間を仕訳にかけていました。
そういった経緯もあり、数年前から立ち上がっている「業務の改善プロジェクト」の一環として、通帳OCRの導入を始めることになりSmartReadをAI OCRエンジンとして採用している通帳特化のAI OCR「AISpectSR」を導入することになりました。
AISpectSRで通帳を読み取ると、Excel上で数字の不一致を視覚的に示してくれるため、間違いを探す作業などが省け、記帳業務の効率が約30%向上することができました。
今後は手書きの現金出納帳や納税予測などにも展開の幅を拡げ、納税予測の作成をRPAで自動化することにもトライする予定です。
AI-OCRを使うなら、SmartReadがおすすめ
ここまでご覧になって、AI-OCRを使ってみたい!と思われた方は、SmartReadがおすすめです。
高い文字認識精度はもちろん、ユーザー管理や細かい権限設定も行うことができるため、
よりセキュアな運用が可能となります。
ま外部システムとのAPI連携も柔軟に行うことができるため、RPAと連携し、SmartReadの後続処理をスムーズに行うこともできますので、大きな効率化を実現することも可能です。
価格も一番安いプランは月額30,000円~と非常にリーズナブルな価格体系になっていますので、
初心者の方でも安心して導入いただけることも魅力の一つです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
AI-OCRを使用することで、様々な場面で無理なくペーパーレス化が実現できるだけでなく、RPAを使用することで、システム入力などをはじめとした後続処理も自動化できるため、より大きな効率化を生むことがお分かりいただけたと思います。
ただ、いきなりすべてを導入し一気に進めていくのが不安な方は、まずはAI-OCRを使用し、今使っている紙書類のデータ化を始めることをおすすめします。
是非トライしてみてください。