ワタベウェディング株式会社様
京都府京都市中京区に本社を置くブライダル業界のリーディングカンパニー。 創業以来60万組以上のリゾート挙式をプロデュース。国内外の挙式プロデュースや衣裳の製造・販売・レンタル、写真事業などをトータルに提供する。1964年設立、連結従業員数は2626名(2019年12月時点)。
京都府京都市中京区に本社を置くブライダル業界のリーディングカンパニー。 創業以来60万組以上のリゾート挙式をプロデュース。国内外の挙式プロデュースや衣裳の製造・販売・レンタル、写真事業などをトータルに提供する。1964年設立、連結従業員数は2626名(2019年12月時点)。
2019年に「Tegaki」(※)をご導入いただいたワタベウェディング株式会社。同社の主力事業は国内・海外での挙式サービスを提供する「リゾ婚」ですが、現在「Tegaki」をお使いいただいている着物のレンタル事業は、もともと同社の祖業であり、創業期における同社の発展を支えました。
今回は、「Tegaki」導入を企画・主導いただいたワタベウェディング株式会社の田村氏と、実際に現場で「Tegaki」をご活用いただいている越前氏に、導入の背景や効果についてお話をお伺いしました。
・ワタベウェディング株式会社 経営企画部 兼 システム統括部 担当マネージャー 田村 健一氏
・ワタベウェディング株式会社 スタジオ営業部アニバーサリー営業グループ 係長 越前 多恵子氏
※コージェントラボのAI OCRサービス「Tegaki」は2021年12月にリニューアルし、次世代AI OCR/IDPサービス「SmartRead」として生まれ変わりました。
Tegakiの頃よりご好評だった、高い読み取り精度での文字認識に加え、非定型帳票を含めた様々な種類の帳票の読み取りや自動仕分けにも対応するなど、大幅に機能強化されています。
ワタベウェディング アニバーサリーサロン 京都店の様子
越前氏:「Tegaki」を導入したのは、成人式や卒業式などで着る袴や振袖の申込書のデータ化業務です。毎年提携している大学にて着物の展示会を行い、紙の申込書を通じてその場で申込を受け付けていますが、手作業でのデータ入力作業の効率化がなかなか進まず、システム統括部へ相談をしたことが「Tegaki」導入のきっかけでした。
田村氏:「Tegaki」導入前は、展示会場でお客様からのお申込を受け付けた後、請求書を発行するために自社システムに申込書データを手入力で打ち込み、さらにエクセルの顧客台帳にも同じ申込書データを手入力するというオペレーションで処理を行っていたため、二重でデータ入力作業が発生していました。この方法で、年間約2300~2500件ほどの申込を2名体制で対応しており、1件1件入念に目検でのチェック作業も行うため、かなりの業務負担につながっていました。
経営企画部 兼システム統括部 担当マネージャー 田村 健一氏
田村氏:比較検討を行った他社様は簡易的な操作説明がメインだったのに対し、コージェントラボさんの場合は、担当の方に課題のヒヤリングや具体的な解決方法のアドバイスなどを親身に行っていただきました。ですので、手厚いサポート体制に安心感を感じられたことが一番の決め手です。また、機能面でも「Tegaki」は帳票定義などのツールの使い勝手が良く、サービスの良さとプロダクトの良さの両面から総合的な判断をした結果、「Tegaki」の導入に至りました。
田村氏:はい、申込媒体そのものをデジタル化することも検討しました。しかし、タブレットを活用した場合、お客様の細かなご要望1つ1つを記録するのに時間がかかり、お客様対応のオペレーションが返って滞ってしまうことがわかり、紙媒体はそのままで、当社側のオペレーションを変革することに注力しました。
スタジオ営業部アニバーサリー営業グループ 係長 越前 多恵子氏
越前様:会場に申込の列ができ、1人1人のお客様対応に時間がかかってしまうと、列に並んでいる途中で帰られてしまうお客様もいらっしゃいます。紙の場合だと、列に並んでいる間に申込書への記入をお願いすることも可能なので、オペレーション全体の効率を考え、紙の申込書を引き続き活用することにしました。
田村氏:申込書に記載されている内容をそのままデータ化するのであればBPOに委託することも可能でしたが、申込書に記載された内容そのものに誤りがあるケースもあり、申込書ごとに内容の整合性の判断を行う必要があったため、外部委託は難しいと判断しました。
越前氏:「この型番だとこの品名は間違っている」など、我々現場の者しか判断できないような修正確認作業が入ってくるので、自社で責任を持って申込の内容確認を行う方法を取りました。
田村氏:Tegaki導入当初は申込書のフォーマットが計5種類あり、どれもOCR処理には不向きのフォーマットでした。そもそも、全て手打ちでデータ入力していたこともあり、フォーマットを統一するということに対してあまりこだわりがなかったというのも事実です。
しかし、フォーマットによって読取精度にばらつきがあったり、現場のスタッフによって記入方法が違う項目があったことなどがデータ化作業の効率化を妨げる要因となっていたため、申込書のフォーマットをAI-OCRフレンドリーな仕様に改善することにしました。
フォーマット改善にあたってはコージェントさんから帳票改善案をご提案いただき、細かくアドバイスをいただきました。
改善後のフォーマットでは、全ての項目を1枚に集約・統合し、メモ書きのように帳票の空いたスペースにスタッフが記入をしないよう、様々な工夫を凝らしました。「持参」のことを、「自前」「ご自前」「お持ち込み」などと複数の表現があるケースもありましたが、フリー記述の項目をなるべく減らして、チェック項目に置き換えるなどの対応を行いました。
結果、フォーマット改善後は読取精度が平均して9割以上となり、修正箇所も大幅に減りました。
田村氏:上記のようなフローで行っています。Tegakiでの読み取り結果をExcelに抽出した後は、Excelの最終シートに値貼付けすると関数で自動で台帳に自動反映されるようになっています。その後は、Asteriaを通じて自社システムにデータを連携し、請求書発行用データを自動生成するという流れです。
越前氏:導入前は、申込数が30件程度の学校を1人が1日かけて3校ほど対応できるくらいのスピード感でしたが、「Tegaki」を活用し始めてからは他の事務作業と同時並行で、3~4時間で5~6校ほど対応できるようになりました。
以前は、自社システムへの登録とエクセルへのデータ入力にそれぞれ5分程度、計10分ほどの時間がかかっていましたが、「Tegaki」を使った場合は読み取りから修正まで5分程度と、作業時間が半減しました。これに加えて、自社システムへのデータ連携などで効率化された時間を考慮すると、従来に比べ半分以上作業時間を短縮することに成功しています。
越前氏:「Tegaki」の活用とフォーマットの改善によって、現場の作業負担は大幅に軽減された実感があります。AIの精度の高さに驚いていますし、今後も「Tegaki」を活用することでお客様と向き合う時間を増やし、一生に一度の晴れ舞台のご支援をして参りたいと思います。
田村氏:着物レンタルの申込書処理業務で得られたノウハウを今後は他の業務にも活かしていきたいと考えています。具体的には、クリーニング事業で発生する紙の帳票の読み取りに「Tegaki」を活用する予定で、今後も紙が介在する業務では積極的に「Tegaki」を有効活用し、作業の効率化を実現していきたいと思っています。